久しぶりの更新になりました。
公認会計士試験の短答式試験を無事終えました。
自己採点の結果は、企業法80、管理会計論77、監査論70、財務会計論148の合計375(75%)でした。



執筆時点で予備校各社のボーダーがCPAが75%、TACが75%、LECが73〜74%、大原が71%となっており、CPA、TACの予想ボーダーより合格最低点が上振れたり、私がマーク事故を起こしていなければおそらく合格しているでしょう。
近年の受験者数の増加や、合格ボーダーの上昇傾向から最近の試験は難しくなったと言われています。
私自身もR1IIに一度短答式試験に合格しているのですがその後三振してR4IからR8IまでR6IIを除いて毎回受けていましたがようやく合格が見えてきました。
H28Iから受けてきた立場から試験の難易度について踏み込んで語っていくと平成後期の短答と、とりわけ令和4年以降の短答では難しさの質が大きく変わってきたのではないかと思います。
平成後期の短答式試験は企業法や監査論に関しては典型的な問題が多く、一問一答と同じような問題が多く出題されました。ところが財務会計論と管理会計論は問題の難易度にバラつきが大きく簿記2級程度の知識があれば特に公認会計士試験の勉強をしていないという人でも容易に解ける問題から学力の高い優秀な受験生が十分に演習を積んだとしても時間内に解くことは不可能な問題まで幅広く出題されていたと思います。回によっては難しい問題が多く、本試験の解説をする講師が怒ったり、泣いたりするほどの難易度だった回もあります。
また当時は管理会計論の問題の難易度が非常に高く、カリキュラムを十分にこなし、総合得点では合格ラインを上回っている受験生でも管理会計論だけ40点未満で足きりにあって不合格になる受験生も多くいました。
また当時の公認会計士試験は、難易度が高すぎる問題が出る論点がある程度決まっており、そのような論点に関しては捨ててかかって挑んでいる受験生も多くそう言った学習戦略を取ることが合理的であった面もあると思います。
一方、令和4年以降の公認会計士試験に関しては、一言で言うと公認会計士試験で学習する幅広い論点の基礎的な力が身についているかを試す趣旨をより反映させた形の出題になっていると思います。
また公認会計士の勉強をしなくても常識で解ける問題や、勉強してもできるようになる見込みの薄い難問はなりを顰めた印象があります。標準問題高得点勝負が最近の短答式試験のトレンドだと思います。
企業法や監査論では過去問の焼き直しなどの出題が増え、今まであまり出題されてこなかった条文や規定に関する出題が増えてきたように思います。
また管理会計論に関してはかつてのような難問、奇問はほとんど出題されなくなり、他の科目よりも高得点を狙うのは難しいものの合格レベルにある方であれば70%前後は得点が見込まれる教科になり、かつてのように管理会計論で足切りになることを心配する受験生はほとんど観測されなくなりました。これに関しては足切りのルールが変更された面も大きいでしょう。平成後期は足切りは40%未満は問答無用で適用されていましたが現在は答案提出者の下位33.3%未満に該当しなければ足切りに合うことはなくなりました。
財務会計論に関しても難問や細かい論点からの出題は減った印象があります。ただその分、基本的な論点に対する精度がより求められる試験になったと思います。
まとめ
平成後期の短答式試験と令和4年以降の短答式試験の傾向変化は大学受験で例えると平成後期の短答式試験が東工大のような入試で令和4年以降の短答式試験の短答式試験が地方国立の医学部のような入試だと思います。
東工大も地方国立医学部も受けてない文系大学卒の勝手なイメージで恐縮ですがなんとなくそんな感じがします。